単身者の寿命
現在日本では、単身者は既婚者より平均寿命が8年短いと言われています。その理由は大きく2つあり、1つは単身者は既婚者に比べて食生活が乱れがちになるから、もう一つは単身者は一人で自由に生活しているので、生活リズムが乱れがちになるからです。
また、社会的背景として、低所得者層はお金がないから結婚していない方も多い為、生活していくのに精一杯で、健康や病気に留意する余裕がなく結果として寿命が短いということもあるそうです。つまり、低所得な人→独身が多い→寿命が短い という構図から、単身者は既婚者に比べて寿命が短くなりがちになります。
ただ、昨今では健康ブームなどもあり、単身者でも健康に気を使っている人は多くいます。なので、その寿命格差は縮まってきています。けれでも、2つの理由のうち、食生活において単身者と既婚者には大きな違いがあることを見落としがちになります。もちろん、単身者の方でも毎日の食事に気を使い自炊をしている方も多くいますが、それでも違いが生まれます。
それは、日々の食事において、単身者の方は自分の欲するメニューになること。一方既婚者の方は家族の意向などもあり、必ずしも日々の食事が自分の欲するメニューばかりではないという点です。考えてみれば、己が子供時、日々の食事はたいてい母親が用意してくれたと思いますが、それは自分の食べたいものばかりではなかったはずです。ほとんどの場合、母親が家族の健康などを考慮し、日々の献立を作っていたはずです。それがいつのまにか大人になってから、食事は自分が用意するようになり、自分の為の食事に変わります。なので、結果として健康に留意していても自分が欲するメニューになっていくのです。
ですので私は、単身者の日々の食事を自分で考えたメニューばかりではなく、他人(例えば栄養士など)が健康に留意して考えたメニューを取り入れていくことによって、この寿命格差はなくなるのではないかと考えています。
株式会社ノコノコ 代表取締役 山﨑篤彦